image image image image

1.設計主旨

  • 「植物と暮らす」ためには、まず植物が健康に育つ必要がある。
    そのために重要なのは、水、太陽光、通気、などの「自然」的要素が十分であることと同時に、品種ごとに適した室温度、肥料、剪定、など「人工」的な要素も不可欠である。
    この建物は、それら両方を満足させるように、外の「自然」を室内に取り入れて、「人工」的な手を施し、健康な「植物」育成と、人の生活である「家」が両立するような状態、「植物と家の一体化」を目指して計画した。家そのものが植物とイコールである。
    植物のことを考え、植物と人との関係が密接になることによって、人にとって快適な空間が生まれ、植物の持つエネルギーによって、エコロジー効果も上がるはずである。

kousei

2.全体構成

  • 敷地の南北の軸上のほぼ中心に花壇を設け、その垂直軸に屋根まで抜ける吹抜を設けた。すべての部屋を、この垂直軸を中心にして取り巻くように配置した。
  • 南側屋外には庭を設け、内と外の緩衝地帯として、サンルームを設けた。

3.ディテール

  • 3階、2階の吹抜の手すりにはプランターを設置し、常緑の植物を植え、「緑の吹抜」として、常に植物を通した柔らかい日の光が注ぐ。
    1階の吹抜の底の花壇は、店舗からの視線も楽しめると同時に、間仕切としての機能を持つ。
    また、上の階での水やりで流れた水や、トップライト結露の水は、樋を通って最終的にここに集まる。
  • くつろぐ場所として、花壇の段差を背もたれとして利用したソファーにしつらえ、サンルーム越しの庭や吹抜上部、階段上部などの緑を楽しむ。花壇が室内にあることにより、視覚だけでなく香りや感触も楽しめる。
  • 階段はあえて南側に設け、階段越しの庭をガラスを介して望める位置関係を取る。さらに、階段手摺にプランターを設け、「緑の吹抜」同様にポトスなどの、しだれる植物を植えて「緑のカーテン」とし、柔らかい自然の光を通す。
  • 「緑の吹抜」は、天井トップライトを開放可能で、天気の良い日には開放して空気の対流を生み、自然な涼風を得る。
  • 冬場は、太陽光を利用した発電または蓄熱などで、床暖房を設置し、吹抜の暖気のロスを補う。
  • 屋上緑化として芝生類を植え、冷暖房費を抑える。

heiritu

ritu

4.法規制・予算など

  • 道路斜線は天空率の検討による。
  • 構造は、予算の面で有利と追われる、木造を想定
  • 建築費は、建築可能な範囲まで、極力無駄を省いた考え方とし、本体建築費は坪あたり55万円、2,350万円で設定した。
  • 2階床の配管スペースが必要な部分の下階は、床レベルを下げているところと組み合わせて、高さ方向にも無駄なく配置した。

1階上部から

2階上部から

3階上部から

1 2 3

1階北側上部から

1階店舗前から

4 5