建物周囲には植物を植えたいところです。植物は手入れが必要ということもあって、敬遠される方もおられますが、私は、植物を植えるためのスペースを必ず作ります。

というのは、家は本来、人間が自然の厳しさから身を守るために作られたものだと思うのですが、しかしその人間自身も自然の一部なのです。自然から遠ざかり人工物に囲まれていると、なにか味気ないような気がしてしまうのは私だけではないでしょう。

癒しのツールとして植物が使われるのは、きっとそんな理由からではないでしょうか。

「自然と離れ過ぎず近づき過ぎず」というのが、きっと人間にとって快適な位置なのだろうと思います。自然の厳しさからは逃れたいけれど、時々自然を思い出したい。人間とは、なんというわがままな生き物なのでしょうか。

植物は、まちなみの景観向上にも貢献します。いろいろな用途の建物や、個性を持った家の顔が並ぶことは、現代のまちではある意味必然性もあり、やむを得ないことです。しかし、そこに自然のものである、植物という要素を、まちにとっての緩衝材として使えば、人の心を癒す公共空間ができ、景観的にも建物の個性のバラつきをカバーして統一感を持たせてくれます。

よく考えてデザインされた機能的な家に、植物などの自然と良い距離感で暮らすことが、本当に豊かな暮らしなのかもしれません。

O_植栽

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